すでにフリーランス・個人事業主の方も、これからデビューする方も
まずは「いくら稼げば自分の生活は成り立つのか」という視点を持ちましょう。
実際、かなり多くの方が自分の損益分岐点を知らず、
ただ闇雲に仕事を増やしたり、営業活動に専念したりしてます。
自分の曽根喜分岐点を知り、無理のないレバレッジがどの程度なのかを知ることは、ビジネスを続けていくうえで何よりも大切な視点になります。
損益分岐点とは
損益分岐点とは、文字通り「損失」と「利益」の分岐する金額の事です。
飲食店などでは、ごくごく一般的に用いられる考え方ですが、ウェブデザイナーやグラフィックデザイナーでは、売り上げを立てるために毎回必要な経費「原価」という考えがすっぽり抜けているため、ただ単に月収や年収を目安にしている方がほとんどではないでしょうか。
フリーランスや個人事業主は、法人と違い「自分の給与」という考え方も微妙ですよね。
1年間活動して、最後に残った現金が自分の給与みたいな感覚の方も多いかと思います。
さらに厄介なのは、経費も思いっきり公私混同しているケースが多く、自分のお金なら買わないけど「経費だから」という感覚でついつい無駄遣いも加速しがち。
そうこうしているうちに、2~3年も建つと
「あれ?自分の給与って幾らなんだろう?」という事態に陥り、さらには
「一体いくら稼げばよいのだろう…」という迷宮の入り口に立たされます。
過去の私の様に。
そうなると、いよいよ様々な経費や収入が出たり入ったり…入り乱れて、
気が付けばお金の流れを全く把握できなくなっていきます。
この状態は、結構心労がかかります。
めっちゃ儲かって売り上げがうなぎのぼりの最中は全然平気ですが、
ひとたび売り上げの停滞や低迷期にさしかかると、ものすごいプレッシャーに襲われます。
そうならないために…
まずは自分の生活の損益分岐点を把握しましょう。
自分は(家族がいる方は我が家は)一体いくらの現金があれば無理なく自然に幸せに生活ができるのだろう。
その金額をただ単純に算出するだけです。
自宅の家賃や車を経費にしたりしている方は、一旦それらも含んでおいたほうが良いです。
なぜなら、自分勝手に経費計上しているものも「税務調査」で否認されてしまう場合があり、追徴課税対策として現金を残しておくという意味でも、生活に必要なものは一旦すべて「プライベートな支出」として
1か月間の合計金額を算出してください。
つまり、その合計金額があなたの最低限必要な「経常利益」となります。
経常利益とは売り上げの事ではなく、売上金額から交通費や備品購入・交際費・外注費他諸々…
いわゆる「経費の全て」を差し引いて、そこからさらに税金分も差し引いて考えて…
ようやく、純粋に現金として残る予定の金額の事です。
そして、あなたの損益分岐点は
「残さなきゃいけない経常利益」+「経費の全て」という事になります。
損益分岐点から売り上げ目標を立てる
損益分岐点が把握出来たら、次に「売り上げ目標」を立てましょう。
仮に損益分岐点が30万円で、いつもかかる経費が大体毎月10万円くらいだった場合、
単純に考えると売り上げ目標の最低値は40万円になるかと思いきや、
利益には「税金」がのっかってくることも忘れてはいけません。
やっかいな税金は、ざっくり利益から3割取られるものと考えておくと
利益30万円を残すためには約43万円の利益が必要。
(43万円×0.7=30.1万円)
そこに、必要経費の10万円を足すと…
53万円を売り上げれば、まずは「最低限生きていける」となります。
このブログを読んでくれている方は、年収1000万以上を目指す方なので、
1200万÷12か月=1ヶ月100万円の売り上げが必要ですよね。
この時注意してほしいのは、売り上げが上がれば必ず経費も上がるという事です。
何もせず放置して勝手に売り上げが増えていくような仕組みができてる場合は別ですが、
そんな方はこのブログを読むはずがないので、
売上を伸ばす=イコール=仕事を増やしていく。という事になるはずです。
仕事を増やすとなると当然、打ち合わせのための出張費・交際費が増えたり
一部を外注パートナーに振ったり、業者さんを使ったり、なにかと経費は増えるものです。
53万円の売り上げを作るのに、いつもかかっている経費が10万円とすると
ざっくり計算で、売り上げの19%が経費という事になります。
が!しかし!
たいていの方は収入が増えるとそれなりの買い物をするようになっていくので、
経費の使い方もきっと今以上にユルユルになるはずです。
それを加味して、月100万円の売り上げになったとき、
きっと経費は30%(30万)以上に膨れ上がる事でしょう。
100万の売り上げに対して、30%も経費で使用すると…
53万円の売り上げが伸びたのに実質は49万円しか手元に残らず
あれ?売り上げはほぼ倍になったのに現金は「19万円」しか増えてない。
100万-30%=70万(粗利益)
70万-税金(3割)=49万(経常利益)
経費が増えるからくり
「いやいや、いくら何でも経費に30万円も使わないですよ…」
と思っている方は、おそらく今までアベレージで月100万円以上稼いだことが無い方でしょう。
今まで歩いてたけどタクシーに乗ろう。
これだけ頑張ってるんだから、お昼くらい豪勢に叙々苑でもいいか。
デキル男っぽく、時計やスーツも新調して、ビジネスバッグもブランド品にしといた方が良いかな。
そんな欲は序の口です。
自分も完全にそうでしたが、月給30万円程度で会社員をしていた時、
年収が1200万円の人って、めっちゃ金持ち・めっちゃ勝ち組の人だと思っていました。
勝ち組の人なんだから、高級車に載って、毎晩のように高級レストランで食事して…
みたいな幻想を戴きながら、いざ自分の年収が1200万円になると、
夢見ていたそういう生活に自然とシフトしてしまうものです。
そんな事しようものなら、毎月の経費は50万円を超えてしまい
売り上げが伸びたのに、生活がままならない状態に陥ります💦
無駄遣いはするもの。損益分岐点を見直して。
年商が上がったのに、生活は逆に苦しくなる。
これは個人事業・フリーランスの方に非常に多くみられる現象です。
もちろん、無駄遣いそのものをしないことが一番ですが、
何でもかんでもは我慢できないものです。
なので、ここでもう一度
「今現在の自分の損益分岐点」を見直して、
改めてその金額を把握する事が大切です。
特に危険なのは、以前の私の様に
年商300万そこそこから、1年程度で1000万を超えるようになった方。
1年間で約3倍に伸びてますが、フリーランスの時間は有限でです。
そんな伸び方が来年も再来年も同じようには続きません💦
売り上げが上がった時こそ、現状の損益分岐点を把握しましょう。
年商が増えた結果、前より貧乏にならないように☆